第2章 初出勤の日
昨日からの続きです。
ネットビジネスで5000万円を稼ぐベンチャー企業に採用された私は、面接の翌々日に初出勤することになりました。
入社の目的であるネットビジネスのノウハウを全て吸収できそうな予感にワクワクしていました。
しかし、私はこの会社で、これまでのキャリア人生にはなかった初体験を次々にすることになりました。
デザイナーズマンションだというオフィスは、1階がエントランス、2階がセミナールーム、3階がオフィスという作りでした。
しかし、置いていある家具は安っぽく、どこかわびしい雰囲気が漂います。
社長の服装は派手な色づかいのジャージにサンダル。
どちらも、ブランドのものなんだそうです。
紺スーツを着てきた自分がマヌケに思えました。
田舎の元ヤンから成りあがった女社長は、成金を絵にかいたようでした。
センスはないけれど、なんとか自分の地位や権力を示したくて必死の様子でした。
まず、女社長は私をモノで支配しようという作戦に出てきました。
「マリーさん、会社からブランド服と靴を支給します。私はハイブランドしか着ないから!」
「え?マリーさんのパソコンってマックじゃないの?」
「ケータイ、i-phoneじゃないの?ありえないから!」
「マリーさん、パソコンもi-phoneも服も靴も、全部これで買っていいから」
女社長は私の手にクレジットカードを握らせました。
会社のコーポレートカードではなく、女社長個人のカードです。
モノやお金を配ってでも、社長は何としても優位に立ちたいのでしょう。
別にそんなことをしてくれなくても、私は社長を盛り立ていくつもりです。
それが会社組織というものです。
年齢、性別、学歴は、関係ありません。
ポジションがすべてです。
それに私はミニマリストでナチュラリストです。
モノはできるだけ持ちたくないです。
洋服は天然素材しか無理です。
ハッキリ言ってありがた迷惑。
「社長、ダメですよ。私が入社したからには、経理関係もキチンとやりましょう! 服や靴は不要ですが、会社で使うパソコンと携帯は買っていただきます」
カードを押し返すと女社長は子供のようにふくれっ面ををしました。
設立したばかりの会社だとは聞いていましたが、こりゃあ、つぶれるのも早そうです。
こんな幼稚なことをする理由はただひとつ。
女社長は自分に自信がないのでしょう。
私の経歴にビビッていましたし、社外のいろいろな人に「スゴイ人が入社した!」と自慢しまくっていました。
個人情報漏洩です。
しぶしぶクレジットカードをひっこめた女社長は、今度はパンパンに膨らんだお財布を丸ごと渡してきました。
「ね、マリーさん、パン買ってきてくれる?」
「はい?パ。。。パンですか???」
今度はクレジットカードだけではなく、現金や女社長の免許証なども入っている、お財布を丸ごとを突き出してきました。
見るからに分厚いし、今日、入社したばかりの新人に預けるようなシロモノではありません。
あれ?私が言ったこと、理解していないのかな?
もしかして、これはテスト?
私がどういう反応をするかを試しているの?
どう反応していいかわからず立ち尽くす私の鼻先に、女社長は分厚い財布を突き出してきました。
第3章 初仕事 につづきます★
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